たけとけたと片付かない部屋

製造技術の仕事や家事・育児、趣味について書きます。

「出てこようとするトロンプルイユ」は演劇的かつアートに踏み込んだ作品であってー

先日大阪にて、ヨーロッパ企画「出てこようとするトロンプルイユ」を観ました。

出てこようとしてるトロンプルイユ | ヨーロッパ企画第36回公演

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※ABCホールだったのでえびしー取っておきました。えびしー

 

 海外に行ってからはめっきり演劇にも疎くなっていたのですが、前作「来てけつかるべき新世界」が第61回岸田國士戯曲賞取っていたんですね。おめでとうございます!

 今回の話は1930年代のパリで画家の人たちとその周りの人たちがわやわやする話です。トロンプルイユというのはだまし絵のことです。だまし絵がいっぱい出てきます。前半は画家のみなさんがだらだら絵画について話していて、中盤からだまし絵で色々遊んでいたら色々起こって大変な目に遭ってしまう話です。

 本当に色んなだまし絵にまつわる話が出て来て面白かったです。だまし絵に騙される人って観てる分にはおもしろいよね。騙される人いないだろーっておもうんですが、舞台装置としてだまし絵があると「え?あれ?」ってなることもあってざわつきました。「いや、別に騙されてなくて、騙されたふりをしているだけであってー」みたいなヨーロッパ企画ならではの言葉回しも笑えますね、もはや癒されるレベルです。

 

 あと中盤のだまし絵を使ったギミックはだまし絵の世界観と舞台をうまく組み合わせた今まで観たことない構造だったので、「そういう手があったか」と感動しました。自分がだまし絵の中に入っているような、恐怖と倦怠感を味わえるのもすごかったです。妻はその仕組みが長すぎると言っていたのですが、その長いと感じることそのものが仕掛けにハマってしまっている、今回の芝居の醍醐味だと思います。星新一の小説のような読者をひやっとさせる仕組みと似ていますね。

 

 いや、でも僕は別に怖かったってわけではなくてー、そこそこに面白い作品ではあってー、と口調が似てしまい妻にうざがられています。うざがられるくらい面白かったです。

 個人的には中川晴樹さんの役がツボでした。全然偉くない感じがいいですよね。

 まあそういうわけで、「出てこようとするトロンプルイユ」は演劇的かつアートに踏み込んだ作品であってー、とりあえずカフェ行こうか?ってなります。面白いですよ。

 

ではでは!